[Vol.2] あなたを動かす原動力は? 移動体験をアップデートするインスピレーショントーク
【吉藤オリィ×辻愛沙子×中島敏行】
- #REDESIGN MOBILITY IDEATHON
- #INSPIRATION TALK
まだ世の中にない新しい価値にフォーカスした次世代×NISSANの共創型プロジェクト「DRIVE MYSELF PROJECT」。2023年8月には「移動体験」をデザインするアイデアソンを開催しました。有形無形を問わない新たな「移動体験」のアイデアを考えることを目的とし、自分らしい挑戦を続けている10〜20代の若者22名と、NISSANで先行技術開発に携わるエンジニアや若手従業員が参加しました。
Vol.2の記事ではアイデアソンの中で行われた、ゲストスピーカーによるインスピレーショントークを紹介します。
参加者にインスピレーションを与えるために、ロボットによる遠隔操作で様々な立場の人の移動を可能にしてきた吉藤 オリィさん、クリエイティビティによって社会課題の解決を志す辻 愛沙子さんが登壇。NISSANで次世代のモビリティ開発を手がけてきた中島 敏行さんとともに、自分を動かす原動力や移動体験の未来について語り合いました。
GUEST SPEAKERS
YOSHIFUJI
クリエイティブディレクター
TSUJI
先行車両開発部 部長
NAKAJIMA
INDEX
新たな移動体験を生み出す
「分身ロボットカフェ」
アイデアソンの会場となったのは、新たな移動体験を生み出している『分身ロボットカフェ DAWN ver.β(ドーンバージョンベータ)』。さまざまな理由で外出が困難である人たちが、分身ロボット『OriHime(オリヒメ)』&『OriHime-D(オリヒメ ディー)』を遠隔操作しながらオーダーをとったり、飲み物を運んだりしています。
吉藤さん:こんにちは、「分身ロボットカフェ」を作った吉藤オリィです。皆さんは、寝たきりの先のキャリアを考えたことはありますか? 私たちもいつかは寝たきりになりますが、そのときどのように社会参加すればいいのか、考えたことはありますか?
「移動とは何か」、「自分らしさとは何か」などを考えながら、すべての人が社会とつながり続ける選択肢を増やすことが、私たちの研究分野です。
「分身ロボットカフェ」では、さまざまな理由で外出が困難である人たちが、「OriHimeパイロット」として、テーブルに置かれた分身ロボット『OriHime(オリヒメ)』遠隔操作。お客様とコミュニケーションをとり、注文された飲み物を自走型の分身ロボット『OriHime-D』でテーブルまで運んでいきます。
吉藤さん:『OriHime』の原型となるロボットは、寝たきりだった親友が移動できる新たな“身体”として作り始めました。その後、寝たきりでも働ける場所として「分身ロボットカフェ」がスタートしています。
難病や障害などで外出困難な人たちと協力しながら、新たな移動体験を作っていく。できないからこそ生み出せるものがあるし、「できないことは価値になる」と私は本気で思っています。
『OriHime』による移動体験は、「分身ロボットカフェ」の中だけにとどまりません。外出できない人の“身体”として、ドライブや海外旅行、さらにはお墓参りなどに『OriHime』が同行し、周囲の家族や友人との間に新たな「思い出」をつくることにも役立っています。
吉藤さん:ある高校の教頭先生は、ALSで身体の自由を失ってしまいましたが、『OriHime』で卒業式に出席しました。生徒会が教頭先生のために作ったタキシードを着て、卒業証書を渡すときには生徒に頭を下げたり、全員の前でスピーチをしたり。生徒の皆さんからは、『OriHime』が単なるロボットではなく教頭先生に見えていたようです。「教頭先生がいた卒業式」として、新たな思い出をつくることができたのかもしれません。
移動体験に今求められていること
インスピレーショントークの最初のトピックは「移動体験の新たな可能性」。ここからは、登壇者同士のセッションを詳しくお届けします。
ー 普段からテクノロジーの進化に取り組んでいる中島さんは、次世代の移動体験やモビリティの可能性についてどのように感じていますか?
中島さん:テクノロジーは常に進化していますが、それ自体が目的にはならないと感じています。もちろん、「この技術がすごいからクルマを買う」という方もいらっしゃいますが、それは私たちの本来の狙いではありません。それよりも、その技術があることで生活や人生が変わることが重要だと考えています。アイデアソンに参加されている皆さんの話を聞いていても、同じような意見が交わされていました。
ー 実現したい暮らしのために、テクノロジーがついてくるということでしょうか。
中島さん:そうですね、例えばコロナ禍でリモートが普及してきて、移動しながら仕事をすることも可能になってきました。そのなかで「移動」を暮らしの一部分として捉え、テクノロジーで移動空間をデザインしていくことで生活を変えていけるのだと思います。
ー やるべきことが変わらなくても、移動や暮らしについての価値観は時代と共に変わっていくと思います。辻さんは若い世代の価値観の変化について何か感じることはありますか?
辻さん:時代の変化なのかもしれませんが、アナログ回帰しているような印象を受けます。例えば、レコードが世界的に再流行していますし、少し前には女性のファッション誌で陶芸特集が組まれていることもありました。
ただ、アナログといっても「便利」を手放すということではありません。早く目的地には着きたいし、遠く離れていても電話したい。「便利」を享受すると同時に「手触り感」も求めていると感じます。
吉藤さん:『OriHime』でも「手触り感」を大切にしています。周囲から「テレビ電話でいいじゃないか」と言われたこともありましたが、テレビ電話じゃ駄目なんです。なぜかというと、人は本来「移動して誰かに会いたい」と思うものだから。
その気持ちを全く分かってもらえませんでしたが、コロナ禍になってようやく理解されるようになりました。Zoomやテレビ電話だけでは物足りないのは、皆さんも経験があるのではないでしょうか。
みんながメタバース世界の住人になる選択肢もありましたが、結局そうならず私たちはこうやって一つの場所に集まっています。コンサートに行ったり、ご飯を一緒に食べたり、移動を通じて「リアルで会う」ことの大切さに気づけたことは、人にとって大きな進歩だと思っています。
あなたを動かす原動力は?
ー 「遠くまで早く行きたい」「会えなくても会いたい」という気持ちが原動力になって、移動の技術は進化してきたと思います。皆さんの原動力についても教えてもらえますか?
中島さん:自分の原動力には、クルマに関する原体験が大きく影響しています。昔から、移動できるプライベート空間として「クルマの中」が大好きでした。いろんなとこに行きたい移動の欲求と、自分の空間が欲しいという気持ちを同時に満たしてくれる。家の中のプライベート空間とは全く異なる心地良さをコロナのときに再認識しましたね。
最近若者のクルマ離れが進んでいるという話をよく聞きますが、クルマの良さをもっといろんな人に知ってもらいたいし、「クルマで人生が変わった」と思えるような人がたくさん出てきてほしい。それが私の原動力です。
辻さん:原動力についていろんな角度があるんですけど、私にとって一番大きいのは社会に対する「なぜ」という気持ちです。例えば、1980年代には「24時間戦えますか」という広告コピーが流行したように、全てを投げ打って働くことが推奨されていました。今はそこまで厳しくはないにしても、日常の中で全力を出し続ける、ミスのない完璧さを常に求められているように感じます。
辻さん:例えば、電車が1分でも遅れたら「申し訳ございません」と謝りますよね。本来謝るほどのことじゃなくても、完璧さが求められ、今まで謝ってきたから同じように謝罪するわけです。他にも、高校野球における坊主論争や女性らしさに関することなど、ちょっとした違和感が芽生えることが多くあります。
そういうときに私が大切にしているのは、「なぜ」という問いを立て続けていくこと。周囲から見ると「面倒くさいやつ」なのかもしれませんが、「それはどうなの」と問い続ける人がいるからこそ、社会が変わっていくと思います。
ー 社会課題へのアプローチを続ける辻さんらしいですね。吉藤さんはいかがですか?
吉藤さん:私にとっての原動力は「孤独を解消すること」です。私は子どもの頃から病気や不登校で孤独を感じることが多かったのですが、母親にロボットコンテストに出ることを勧められたり、モノづくりに関する師匠と出会ったりして、自分の役割を見つけることができた。
だから、17歳のときにそれまでずっと感じてきた「孤独」を世の中からなくすため、ものづくりに残りの人生を費やそうと決めたんです。私の生き方は少し特殊な例かもしれませんが、人間の命は宇宙に比べればほんの一瞬でできることは限られます。
人はそんなに多くのことを成し遂げられない。やることを明確に決めると人生で迷うことがなくなるし、選択肢が多すぎる現代社会には良いのかもしれません。
「出会い」と「別れ」の移動体験
インスピレーショントークの後半には、プロジェクトメンバーとの質疑応答コーナーも。今回のアイデアソンのテーマ「私達の豊かさを実現する移動体験とは?」のヒントになる経験やアイデアを語り合いました。
れいんぼー(写真左)2005年生まれ。高校時代から様々な団体やプロジェクトに携わる。現在は「れいんぼーわーるどプロデューサー」として、ラブホテルイノベーションや下北沢のイベント運営等に参画。
れいんぼーさん:グループで話し合うなかで、「出会い」と「別れ」が移動体験に大きな影響を与えているのではないか、という話が出ていました。例えば、卒業式に行くまでの移動では、学校の思い出をいろいろと振り返ります。その移動体験をデザインできたら面白いんじゃないかなと。アイデアを掘り下げるために、ぜひ皆さんの「出会い」や「別れ」のエピソードもお聞きしたいです。
辻さん:親しい人との「別れ」を最近経験したのですが、その人の生きていた証はSNSに今も残っています。それを時々眺めてみると、その人がどんな仕事をしたのか、どのように過ごしていたのか、服装も含めて説明することはできます。
でも、その人の「生のデータ」はどこにあるのかっていうと、私の記憶の中にある。書いた文章や投稿よりも、私の頭の中にあることがその人が生きた証だと感じています。だから、自分にとっての「生きる意味」は大切な誰かのことを記憶することだと思っていて。話したこと、一緒に体験したことを自分と相手の記憶に残し合っていく。
移動体験も同じで、例えば授業で何を学んだのかよりも、教室を移動する10分休憩で見た景色や相手の表情、登下校で一緒に話したことなどが、記憶に残っていきます。そんな風に「記憶」と「移動」を上手くブリッジできると、面白い移動体験をデザインできると思いました。
中島さん:昔のその人の思い出が、場所ごとに写真などでいろいろ出てきたら面白いかもしれませんね。私も場所と「出会い」の記憶はリンクしていると思っています。例えば、以前働いていた場所や住んでいたところを訪ねたときに、自分の頭の中には当時の記憶があるものの、新しい家ができたりして変わってしまっている。何とも寂しい気持ちもあるんですけど、時の流れをノスタルジーとして感じたい気持ちもあって。
それに、一緒にいた人たちも大抵その場所にはいないんですね。でも、当時の記憶は私の頭の中に残っているわけです。そうすると、別の場所で昔の知人と会ったときに、昔の記憶がよみがえってきます。それなのにみんな当然ながら老けているし、チームの中で偉くなっていたりする。そこでもやはり時の流れの変化をリアルに感じて、ノスタルジーに浸ることがあります。
吉藤さん:私からは「出会い」に関するエピソードを。18歳の頃からずっと私はこの黒い白衣を着て、風になびかせて歩くのが好きなんですけど、周囲から見たらかなり変わった人だと思います。みんなから馬鹿にされたり、警察に職務質問受けたりとかいろいろありました。
通っていた大学には5万人ぐらい生徒がいたんですけど、合わない人の方が当然多かったです。でも、この黒い白衣をなびかせているのを見て「面白いですね」と言ってくれる人もいて、そういう人とはすぐに友達になれる。
つまり、この個性的な服装が「出会い」のフィルタリングになっているわけです。話してから「感覚が合わない」と思うことが少ないので、ある意味便利だと思います。
進む方向に
迷ったときはどうすれば?
ゆずちゃん(写真右)2000年生まれ。2020年、コロナ禍のゲストハウスを取材し、オーナーのことを伝える本を執筆。日本一周しながらクラウドファンディングで実行している。「寄り道」を文化として広げるため、Panasonicのアクセラレータ施設100BANCHにて「大宇宙大学」を主催。
ゆずちゃんさん:私は「寄り道」の研究を普段しています。今回グループで考えている新たな移動体験の方向性とも合致しているので、質問させてください。「寄り道」には、利便性や効率性といった良さとは異なる情緒的な良さがあるので、共感してもらえることが多いです。でも、社会課題を解決するようなテーマではないので、なかなか研究が進みにくい。そのような課題にぶつかったとき、どのように乗り越えればいいのか教えてほしいです。
中島さん:私は会社の中でやや先進的な仕事をしていて。「これいいね」っていうアイデアがチームでいっぱい出てくるんですけど、大体ものにならない。製品を実用化するための難しさはもちろんあるんだけど、それ以前にアイデアの良さが伝わらず製品開発にたどり着けないんです。
そういうときに自分がよくやるのは、無理にでもアイデアを具現化すること。目に見える形にすると、他の人の反応は大きく変わってきます。というのも、人間はやっぱり頭のなかでは理解できない。自分で実際に見て腑に落ちたとき、初めて動くところがあるんで。誰にとってもわかりやすい「プロトタイプ」をつくることはすごく大事だと感じています。
吉藤さん:この「分身ロボットカフェ」もプロトタイプから始まっていて。2016年の時点では私の頭の中にしかありませんでした。「寝たきりカフェ作ろうぜ」って言っても、親友以外誰も賛同してくれなくて。だけど、どうしても作りたいから発泡スチロールを買ってきて、『OriHime-D』の原型を9時間くらいかけて作ったんですよ。さらにそこから1年ぐらいかけて、当時のポケットマネーを全部突っ込んで、ロボットをどんどん作りました。
そうすると少しずつ「面白いね」と言ってくれるグループが現れてきて。予算と仲間が増えていって、クラウドファンディングにも成功し、いつの間にかこの「分身ロボットカフェ」を作ることができた。
だから、自分が良いと思っていることって、みんなが共感してくれるわけじゃないんですよ。というか、みんなが良いよねって言っていることは、きっと面白くない。自分がめちゃくちゃいいと思っているけど理解されないときは、とにかく作って発信しまくれば、多くの人に伝わると思います。
辻さん:私もカタチにするのは大賛成です。例えば、企画書で文章が苦手なら、写真やイラストを集めたムードボードを作ってみる。自分の世界観を伝えるために画像をいろんなところから引っ張ってきて、「こういうものを作りたいんです」って形にする。説明の文章にこだわるんじゃなくて、1スライドで伝わる「情緒」にこだわったほうがいいです。
不格好な“泥団子”でもいいから、カタチにすることを繰り返すんです。「思っていたのと違う」と感じることもありますが、「次はこうしよう」と新たなアイデアも生まれます。
もう一つ覚えておいてほしいのは、「役に立つ」ことだけが社会で求められているわけではないこと。世の中には便利で役に立つものがあふれており、全てが歯車のようにキレイに整頓されすぎていると感じます。
そのため、「必要ないけど、あったらいいよね」という情緒的な価値が、これからどんどん求められていくのではないかと。「ちょっと寄り道したくなる」ような発想やアイデアが広がっていくのは、私も本当に楽しみです。
参加者からの感想/まとめ
インスピレーショントークを聞いたプロジェクトメンバーからの意見・感想もいくつか紹介します。
れいんぼーさん:自分のグループで考えていた移動体験のアイデアは、フェスに行くまでの移動体験をデザインすることがテーマでした。それもある種、オリィさんが言っていた「孤独を解消すること」なのかも。移動って人生の多くを占める行為だから、新しい感情を作り出したり、感情を動かしたりするすごい体験だと思います。
前田 楓太さん:私自身、深夜のドライブが好きで定期的に走りに行きますが、なぜ"深夜"がいいのか言語化することができませんでした。しかし、日産の中島さんのお話しを聞き、車内空間(プライベートな空間)と車外空間(夜風)の2つによって創り出される移動時の空間が好きなんだと気づきました。したがって、自分たちの豊かさを実現する移動体験は「空間の充実」から来ていると考えています。
AKITOさん:辻さんは「情緒的なもの」とおっしゃられていましたが、僕は「ある種の雑味、非合理」みたいなものがとても重要になっていると思います。僕自身、建築と心理学の両軸を持つデザイナーとして活動していますが、人の行動は我々が思っているほど合理的ではないです。僕たちが持つ「非合理な直感」が、今後の未来を切り開くワクワクするようなアイデアやインスピレーションにつながると確信しています。
特に多くの人に支持されていたのは、吉藤さんの「出来ないことは価値になる」という言葉。未知の可能性を模索する彼らの背中を押すパワーワードになっていたようです。
インスピレーショントークの内容をヒントに、各グループは「自分らしい移動体験」のアイデアをまとめていきました。個性あふれる最終プレゼンテーションの内容は、Vol.1の記事をぜひご覧ください。
(れいんぼーさんはAグループ、ゆずちゃんさんはBグループでそれぞれ発表しています)
YOSHIFUJI
分身ロボット発明家。奈良県生まれ。小学5年~中学3年まで不登校を経験。 高校時代に電動車椅子の新機構の発明を行い、JSECにて文部科学大臣賞、Intel ISEFにてGrand Award 3rd を受賞、その際に寄せられた相談と自身の療養経験から「孤独の解消」を研究テーマとする。早稲田大学にて2009年から孤独解消を目的とした分身ロボットの研究開発に取り組み、2012年株式会社オリィ研究所を設立。分身ロボット「OriHime」、ALS等の患者向けの意思伝達装置「OriHime eye+ Switch」、寝たきりでも働けるカフェ「分身ロボットカフェ」等を開発。同プロジェクトは2021年度の「グッドデザイン賞」にてグッドデザイン大賞に選出された。米Forbes誌「30 UNDER 30 ASIA」に選出。
著書:「孤独は消せる」「サイボーグ時代」「ミライの武器」
クリエイティブディレクター
TSUJI
社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り」の二つを軸として広告から商品プロデュースまで領域を問わず手がける越境クリエイター。リアルイベント、商品企画、ブランドプロデュースまで、幅広いジャンルでクリエイティブディレクションを手がける。2019年春、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトを発足。2019年秋より報道番組 news zero にて水曜パートナーとしてレギュラー出演し、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦している。
先行車両開発部 部長
NAKAJIMA
子供の頃からクルマの中の空間が好きで、免許を取ると同時に自分の空間を手に入れ、そこで過ごすうちにクルマをつくる側にまわる決意を固め、大学院修了後に入った某自動車会社を経て日産へ入社。電動の走りがこれからの武器と信じ、ハイブリッド車やEV専用プラットフォームの先行開発など車の電動化を進める。計画に無かったe-POWERを無理矢理製品開発に押し込み、ゲリラとも呼ばれる。しかしいまや電動は当たり前となり、自動車業界を取り巻く環境やお客様の嗜好が変化する中でクルマの価値をもっと上げたいと思っていて、コロナ禍をきっかけに子供の頃から好きだったクルマのプライベート空間としての価値を改めて認識。多くの時間をクルマの中で過ごしながら、世にクルマが作る空間のすばらしさを伝え、世の中を変えるクルマを作ってやろうと日々悶々としている。
このアイデアソンでそこへ向けた新しい切り口を見つけたい。